設計事務所のメリット・デメリット

・土地探しからアドバイス

不動産会社ではないので土地を直接ご紹介することはできませんが、この土地いいな～と思ったらご相談いただければ法的な部分、建てられる建物の種類、大きさなどお調べすることも可能です。
また、難しい土地（段差や傾斜が強いなど）でも設計はできますので迷われたら一度購入前にご相談ください。

・設計料は高い？

設計事務所に頼むと設計料がかかる分高いと思われている方もいらっしゃると思います。
これは予算項目の見え方、建物に対する考え方、優先するものの違いで分かれてくるかなと思っています。というのも、どこにお願いしても設計、経費は必要だからです。設計事務所の場合、設計+工事監理+経費のセットで設計監理費としています。工務店・ハウスメーカーの場合の設計料は項目がなくても経費の一部として見積に含まれています。

工務店・ハウスメーカーの場合、規格材料などをまとめて安く仕入れたり、何軒かを同じ仕様・設計にし工期を同時スタートしたりして設計料・工事費を安く抑えることが出来ます。
また設計・施工とも同一の会社で進めますので別の立場で工事監理をする人を省略する分、経費削減、工期短縮が可能な面もあります。

設計事務所の場合は規格や制限がない分、同じ図面を使い回したりできませんので、それぞれの建物の形から仕上げまで時間をかけてお客様と打合せを行い、一つ一つ詳細な図面を描きます。

そして工事監理者として施工者とは別の立場で工事内容のチェックをします。それぞれの生活に寄り添った設計をする分、設計作業にかかる時間は長くなりますし、第三者として工事監理をする分、割高に見えるかもしれませんが建物の質は上がるのではないでしょうか。

また大手ハウスメーカーのように営業、新聞、チラシによる広告宣伝、住宅展示場もないのでお客様にとって余分な経費を削減し、純粋に建物に必要な手間を多くかけることができると考えています。

・ハウスメーカー・工務店と比べると完成までに時間がかかる

設計事務所で新築住宅を建てる場合、設計から完成まで目安として1年は必要です。
余裕を持ってご依頼いただく必要があります。(スケジュールはこちらでご確認ください。)

・工事金額がすぐに確定しない

ハウスメーカーと異なり、それぞれ仕様や内容が異なるため設計段階ではっきりとした工事金額が出ません。打合せを重ね要望を組み込んだ図面をしっかり描いて工務店に見積をしていただき、初めて工事金額がわかります。なので、最初は予算オーバーすることが多々あります。
設計事務所では過去の経験から建物の大きさ、金額を想定し予算配分、設計をしていますが昨今の職人不足による人件費の高騰や市場の状況による材料費の高騰などによりどうしても誤差が生じます。また始めからコストを気にして諦めていてはせっかくの家づくりも楽しくありません。ある程度予算内に収まるように提案はさせて頂きますが、まずはお客様のご要望を一つでも多く叶えようと考えています。

予算オーバーした場合
できるだけお客様のこだわり部分は捨てずに進めたいと思っています。工務店から見積が出てきたら、見積内容に間違いがないかと共にどこを残すか、どこを削るか考えながらお客様と相談し変更の内容を詰めます。そして、再見積を工務店にお願いします。（場合によっては何回か再見積することになりますので、実はここに結構時間がかかります。）本当に予算内に収まるかと不安になる方もいらっしゃると思いますがそこは信頼してお待ちください。

・住宅展示場がない

多くの方は家づくりは初めてという方だと思います。
何から始めればわからないという方にとって気軽に行ける住宅展示場はとても便利な場所です。また複数の会社の住宅を一度に見られ、その会社の強みを知ることができますし、実際に触れてみて体感することもできます。
その点、設計事務所はまずインターネットで探し、良さそうなところを見つけて連絡したところで過去の実績を写真で見たり、都合が合えば実際に住まわれているお宅にお邪魔して見学させてもらうことはできますが、気軽に行ける展示場はありません。

・土地探しが必要

ハウスメーカーの場合は分譲地といって自社で確保している土地があり条件があえばすぐに購入できますが設計事務所にお願いする場合、まず土地を用意しなければ設計を依頼できません。
近所の不動産屋さんやインターネット、希望エリアを歩き回るなどして気に入った土地を見つける必要があります。人によっては1年以上探されるケースもあるようなので、こちらも十分な時間が必要になります。

・住宅ローン

専門ではありませんので参考までに。

多くの人が住宅の資金を住宅ローンで借りられると思いますが、建売住宅やハウスメーカーの注文住宅では土地と建物の総額でローンを組みます。しかし設計事務所の場合、土地と建物どちらかを自己資金で賄えない場合、分割してローンを2本立てもしくはつなぎ融資を利用することになります。

その理由は土地の確保と設計、見積にかかる時間です。土地の確保（売買契約）をしておかないと別の人に購入されてしまう可能性があることと、土地がないと設計がスタートできません。たまに支払いを待ってくれるケースもあるようですが、多くの場合は手付金を支払い土地を確保し、１～２か月の内に支払いの手続きを進めることになります。また設計～金額確定まで早くても6、7ヶ月はかかります。工務店と工事請負契約を結ばないとローンは組めませんので、土地の決定から工事請負契約までに時間が空いてしまうことがもう一つの理由です。

その為1本でローンを組む場合に比べると手数料が余分に発生したり、つなぎ融資だと金利が高めに設定されていることが多いようです。また住宅ローンは引っ越ししてから返済がスタートしますが、分割した場合は土地のローンの返済は工事中に始まります。土地契約から引っ越しまでの間は家賃等に加えて月々の土地代のローンの支払いが加わります。詳細は金融機関によって異なりますのでまずは借り入れ可能か、どの程度借りられるか等、事前にご相談することをお勧めします。

また、いずれの場合でも土地取得～工事請負契約の間にかかる設計監理費は一時的に自己資金で建て替えなければならない場合が出てきますので慎重に資金計画をする必要があります。

ローンについてはこちらでも詳しく記載しています⇨設計事務所とローン

まとめ